2012年6月26日火曜日

読書メモ

「日本怪奇小説傑作集3」紀田順一郎・東雅夫編

明治以降、日本の怪奇小説は、怪異を客観化することで大きく革新された。幻想の科学的な解釈。社会の合理主義から逸脱し怪奇を紡ぎ出す、意識の闇への沈潜。あるいは、疑問や躊躇を抱きつつ怪奇幻想を受容し肯定する懐疑精神……。さらに、戦後半世紀の変化が怪奇小説にさらなる変容をもたらす。ミステリ、SF等のジャンルを超えた作家たちによる、多彩な17編を収める最終巻。

「近代怪奇小説の変容」紀田順一郎
「お守り」山川方夫
「出口」吉行淳之介
「くだんのはは」小松左京
「山ン本五郎衛門只今退散仕る」稲垣足穂
「はだか川心中」都筑道夫
「名笛秘曲」荒木良一
「楕円形の故郷」三浦哲郎
「門のある家」星新一
「箪笥」半村良
「影人」中井英夫
「幽霊」吉田健一
「遠い座敷」筒井康隆
「縄 編集者への手紙」阿刀田高
「海贄考」赤江瀑
「ぼろんじ」澁澤龍彦
「風」皆川博子
「大好きな姉」高橋克彦
解説 東雅夫

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