2012年10月9日火曜日

読書メモ

濹東綺譚」永井荷風

にわか雨に傘をひらき、慌てふためく街のさまを見ながら歩きかけると、結いたての潰島田(つぶし)の頭を入れてきた女がいた。わたしとお雪の出会いであった……。私娼窟が並ぶ向島の玉の井を訪れた小説家の大江匡は、かすかに残る江戸情緒を感じながら彼女のもとへ通うようになる。移ろいゆく季節と重苦しい時代の空気の中に描き出される、哀しくも美しい愛のかたち。永井荷風の最高傑作が、文字が読みやすく解説の詳しい新装版で登場。

目次
濹東綺譚
作誤贅言
注釈
解説「永井荷風  人と作品」稲垣達郎
   「作品解説」石川淳
年譜

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