2012年12月25日火曜日

読書メモ

「チャップリン再入門」大野裕之

時代の奔流に抗い、映画を通して愛を貫いたチャップリン。極め付きの身体芸、痛烈な社会批評、そしてユーモアとヒューマニズム……。数々の傑作群は世紀を越え、国境を越えて愛され、かつ問題提起し続けている。放浪紳士チャーリーの足跡を丹念に辿るとともに、近年発見された新事実や膨大なNGフィルムを読み解き、「チャップリンの現在」を考察する。

はしがき 2005年に現在のチャップリン
第1章 1889年 チャップリンの帝国
家人トンを歩く/少年時代/帝国の娯楽 ミュージック・ホール/イギリスからアメリカへ/映画をデビュー/チャップリン・スタイルの模索/帝国のギャグ/チャップリンのNGフィルム/「霊泉」のNGフィルム/「移民」の当初の構想/抽象的アイディアから具体的なストーリーへ/アメリカの現実、移民の現実/帝国と闘うチャップリン
第2章 1918年 チャップリンの失敗
「冒険」ー安直な失敗作?/チャップリンの内なる「冒険」/未曾有の成功ー「犬の生活」から「キッド」へ/「キッド」ー微笑みと、恐らくは一粒の涙の物語/チャップリンの仕事に法/「チャーリー」を捨てる/演出家チャップリンの成功/「巴里の女性」の「失敗」/「黄金狂時代の」ーサイレント映画の頂点/失敗作「サーカス」/鏡の迷路を抜けて
第3章 1928年 チャップリンの性
最愛の母ハンナ、初恋の人へティ/チャップリンの私生活/チャップリン映画に見る同性愛/チャップリンのヒロイン/「街の灯」ー残酷なまでに美しい亀裂
インターヴァル 1932年 チャップリンの日本
チャップリンと5・15事件/チャップリンの右腕・高野虎市/高野の最期を看取った東嶋トミエさん/歌舞伎になったチャップリン
第4章 1940年 チャップリンの戦争
非人間的なものとの「闘い」/「モダン・タイムス」ー大衆の象徴から大衆のなかの一人へ/トーキーとの闘いの裏幕/「独裁者」ーチャップリンのvs.ヒトラー/放浪者チャーリーの闘い/Dawn(夜明け)の意味/チャーリーを越えて、映画を越えて/「独裁者」の結びの演説
第5章 1952年 チャップリンのユーモア
価値の転倒/異色作「殺人狂時代の」/チャーリーを転倒させる/「ライムライト」ールーツに戻る/キートンとの共演 映画コメディアンたちの盛衰/ユーモアについての考察/最後の主演作「ニューヨークの王様」/自由人の映画/最後の監督作「伯爵夫人」/音楽家チャップリンに思いを馳せて
あとがき 1977年12月25日 そして、チャップリンの現在
謝辞
参考資料~もっとチャップリンを知りたい人のためのガイド
フィルモグラフィー
巻末付録 ヒンケル語の「解説」

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